ジャッキー・ジョイナー・カーシー(その1)

誰も見ないブログなので自由なことを書いて行こうと思います。

スポーツはそんなに得意ではないのですが、好きな競技は何か、というと陸上競技だったりします。本競技はもうオリンピックイヤーの4年に1度、それも日本人選手が活躍しそうなマラソンとか、室伏選手の出るハンマー投げくらいしか注目を浴びない、非常にマイナースポーツです。そのため、マラソン以外の選手たちは社会人でとてつもなく苦労しながら競技を続行していたりします。あるいは高校や大学を卒業すると、非常に高いレベルにあった選手でさえ、競技から引退してしまうことも多々あります。さらに、その競技のトップ選手でさえ、競技生活に見切りをつけ、別の道へ転向するという話も多いです。これらについては後日記事にしたいと思います。

私の場合、陸上競技といっても、フィールド競技、特に跳躍系の競技が好きなのですが、日本ではなかなかTV放映されることはありません。辛うじて、世界レベルにある唯一の存在である室伏選手が競技しているハンマー投げ、村上選手やディーン元気選手、新井選手など80m超えるレベルの高いやり投げが話題に多少なるくらいです。跳躍競技に至っては、走高跳は近年世界的にレベルアップが進み、日本でも2m28以上を現役で4人マークするなど活気づいていますが、それでも世界記録と日本記録で12㎝差あり、とてもオリンピックのメダルに届くというのはおろか、予選通過すれば大成功といった状況です。三段跳びに至っては1986年山下訓史選手のマークした17m15を破る選手が現れるどころか、17mを超えそうな選手でさえ日本には存在しません。

そんな状況なので、日本のTV的に全く放映価値なしとみなされている陸上フィールド競技ですが、そういったマイナー競技にスポットを当てたいと思います。

今回は女子七種競技について記述していきます。男子十種競技はヨーロッパでKing of sportsとして賞賛される人気競技ですが、女子の場合Queen of Sportsと言われているかどうかは知りません。たぶん言われてないと思いますが。
この競技にもかつてスーパースターが存在していました。それはアメリカのジャッキー・ジョイナー・カーシー選手です。
まず七種競技というのを説明します。1日目に100mハードル、走高跳、砲丸投、200mを、2日目には走幅跳、やり投げ、800mを行うという超ハードな競技です。これは各種目の記録ごとに得点換算され、その合計点を競うというものです。
この競技でカーシーは1988年のなんとソウルオリンピック本番で7291点の世界記録をマークします。普通の選手はオリンピックのような大きな大会では優勝を狙い、記録は狙いに行かないものなのですが、カーシーの場合は既にライバルと言えるような選手はおらず、記録との勝負となっていました。ちなみに世界歴代二位の記録は7032点のクリュトフで、200点以上の差があり、7000点を超えているのはカーシー含め3人しかいません。

ちなみにカーシーの世界記録7291点を出した時の内訳は
100mH 12秒69
走高跳 1m86
砲丸投 15m80
200m  22秒56
走幅跳 7m27
やり投げ 45m66
800m 2分8秒51
でした。
これがどうすごいのか良くわからないと思います。
そこで、日本で結構話題になったヘンプヒル恵選手の5678点の内訳と比較してみましょう。

種目 ヘンプヒル恵 カーシー
 100mH  13秒46 (1056点)  12秒69 (1172点)
 走高跳  1m63 (771点)  1m86 (1054点)
 砲丸投  10m78 (581点)  15m80 (915点)
 200m  24秒99 (888点) 22秒56 (1123点)
 走幅跳  5m81 (792点)  7m27 (1264点)
やり投げ  40m49 (677点)  45m66 (776点)
800m  2分13秒54 (913点)  2分8秒51 (987点)
合計  5678点  7291点

カーシー選手は専門が走り幅跳びで、ヘンプヒル選手は100mH専門ですので、まあヘンプヒル選手が100mH以外勝てないのは仕方ないですね。あれっ、100mHも何かカーシー選手はすごいですね。はっきりいって、七種競技で900点越えているような競技は日本選手権に出場できるような競技レベルにあります。また1000点越えているような競技は日本選手権で入賞が狙えるレベルにあります。1100点を超えるような競技は日本No.1が狙えるか、超えています。ということでヘンプヒル選手の100mH、200m、800mのレベルは日本女子としてはトップクラスに位置しているのですが、カーシー選手はやり投げを除く種目で入賞、あるいは日本選手権優勝するような記録なのです。もしカーシー選手が日本選手であれば、やり投げ以外の6種目で日本代表で出場してもさほど見劣りしない記録を持っているということです。これはとんでもないレベルだということがお分かりでしょう。

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