ジャッキー・ジョイナー・カーシー(その2)

前回、ジャッキー・ジョイナー・カーシー選手の7種競技の成績を日本の成長株ヘンプヒル恵選手と比較しましたが、全てにおいてカーシー選手が圧倒しておりました。
そこで、もう少し各種目骨のある選手ということで、第99回日本陸上競技選手権に出場した場合どうなるのかを記載してみます。
第99回日本陸上競技選手権は2015年6月26~28日の3日間で実施されました。公式サイトから記録を拝借します。

種目 日本選手権優勝者 カーシー
100mH 13秒27 (1084点) ① 12秒69 (1172点)
走高跳 1m81 (991点) ① 1m86 (1054点)
砲丸投 15m65 (904点) ① 15m80 (915点)
200m 23秒23 (1056点) ① 22秒56 (1123点)
走幅跳 6m21 (915点) ① 7m27 (1264点)
やり投げ 59m11 (1037点) ⑰ 45m66 (776点)
800m 2分8秒20 (991点) ② 2分8秒51 (987点)
合計 6978点 7291点

※日本選手権優勝者の得点換算はUSATF:http://www.usatf.org/statistics/calculators/combinedeventsscoring/
の換算表を使用しました。

何と、やり投げと800m以外の5種目はもしカーシー選手が日本陸上競技選手権に出場していたなら優勝している記録であり、800mも2位という、6種目で日本代表級の実力を持っていることを示す結果となりました。日本選手権者7人をかき集めてもさすがにヘンプヒル選手よりは健闘しているものの、7000点を超えることが出来ないのです。
しかも、カーシー選手は2日間で全ての競技をこなしているので、本当に日本選手権者に勝利している5種目だけ出場していたなら、5種目優勝できた可能性は高かったことでしょう。

本当に強い選手は何でもできてしまうところが恐ろしいです。

「ジャッキー・ジョイナー・カーシー(その2)」への2件のフィードバック

  1. カーシーは、走り幅跳びが特に凄かった印象があります。
    東ドイツに凄い走り幅跳びの選手がいましたね。
    また、2人を競わせたい。

    1. 三木邦裕様
      コメントありがとうございます。
      カーシーも走り幅跳び(ベスト7m49)は7種競技中でさえ7mオーバーを連発していましたが、コメントにある通り100m、200mのスプリント力もある東ドイツのハイケ・ドレクスラー(走り幅跳びベスト7m48)、旧ソビエトの世界記録保持者チスチャコワ(ベスト7m52)、などがいて、非常に周りのレベルも高かったです。ただし、ベスト記録が近い割にはたいていカーシーがドレクスラーに幅跳びでは勝っていた印象が強いですね。
      今回のロンドン世界陸上では優勝記録7m02ということで、やや物足りなさあるため、またカーシー、ドレクスラー、チスチャコワ等の高いレベルでの争いを見てみたいという気持ちは良く分かります。
      ただ、7m50近い記録を今後現実的に見ることは色々な理由で不可能に近いと思いますが。

      今回の世界陸上7種競技チャンピオンのナフィサトゥ・ティアムは走り幅跳びでは6m台中盤の記録ですが、走高跳1m98とカーシー以上に得意にしています。また投擲種目も強く、砲丸投げ15m台、やり投げ59m台を投げ、史上4人目の7000点オーバーを七種競技では記録しているので、こちらも今後注目いただきたいと思います。

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