イワン・ウホフ(Ivan Ukhov:ロシア語表記はИва́н Сергее́вич У́хов)は1986年ロシア生まれで、身長192㎝ある。
この身長から生粋のハイジャンパーのように思うが、7歳から16歳まではバスケットボールをしており、地域で一番の選手だった。16歳の時、バスケットのコーチと口論になり、個人競技ということで陸上競技を選んだ。その時、ガタイも良かったため(今でも走高跳選手の割にはがっちりしている)、最初に円盤投げをすることになった。1年後走高跳に出会い、コーチもなしに、2004年にロシアジュニア大会で2m12㎝を跳び勝利する。その時点で円盤投げは辞めてしまい走高跳に専念することとなった。翌年2005年には2m30をクリアし、2009年には史上11人目の2m40ジャンパーとなった。現在の屋外ベスト2m41、屋内ベスト2m42であり、世界ではバーシム、ボンダレンコと並び、走高跳3強と言ってもよい存在となっている。
2012年のロンドンオリンピック決勝では、他の選手が記録低調のなか、ただ一人やけくそ気味にバーを2m36、2m38と失敗しながらも上げてくるエリック・キナードを軽くいなし、2m38をただ一人クリアして圧勝して、金メダルを獲得した。
彼のジャンプの特徴はものすごい背中の折り方を行い、それを強靭な背筋力で引き揚げ、とてもクリア出来なさそうなところからバーをクリアしていく点にある。あのバーの上でのクリアランスは誰も真似のできない領域にある。
ウホフのシューズは普通の高跳び選手の使うものではなく、他のスプリント系選手の使う、踵にピンの無い物を使っている。このため、踏切足のグリップ力が弱く、雨の状況では力が出しにくい。そのため、天候を気にしなくてよい屋内競技の方が安定してハイレベルの記録が出せている。
ウホフにはシューズ以外にも色々エピソードがあり、話題には事欠かない。
・ロンドンオリンピックでユニフォームをなくす
オリンピックで同じく決勝に進出したロシアのシルノフからTシャツを借りて出場するというハプニングに見舞われる。しかし、そんなことをモノともせず、金メダルを獲得した。
・2008年陸上ローザンヌ国際の大会で飲酒により出場停止措置を受ける。